岡山の冬は最低気温が0度前後になる日もあるため、外壁や屋根は1日の中で10度以上の温度差が生じることがあります。温度差が大きいと建材が収縮と膨張を繰り返し、外壁のモルタルやサイディングが負荷を受けます。特に古いマンションやアパートでは、外壁が硬化しているためひび割れが起こりやすくなります。工場や倉庫などの広い外壁面でも同様に負荷が増し、冬に劣化が表面化します。

1-2. 劣化の“見える化”が進む季節とは

外壁や屋根の劣化は年間を通じて蓄積していますが、最も症状が出やすい季節は冬です。気温の低下で塗膜が硬くなり、わずかな衝撃でもひび割れが目立つようになります。また、外壁の細かいひびが白く浮き出るため、管理者が気づきやすくなります。マンションやアパートの管理会社からの相談が増えるのも冬が多い理由です。

2. 冬に起きやすい外壁トラブル

冬は外壁の不具合が進行しやすい季節です。モルタル外壁のひび割れ、サイディングの反り、シーリング材の硬化など、複数の症状が重なりやすくなります。特にマンションやアパートのような高層建物は風当たりが強いため、外壁劣化が進むスピードが早くなる傾向があります。

2-1. 外壁のひび割れが発生しやすい理由

外壁のひび割れが冬に増える理由は、気温差による収縮と膨張です。日中10度以上、夜間0度付近という気温差が続くと、モルタルやサイディングに小さな負荷が何度もかかります。外壁の耐久性が低下しているマンションやアパートでは、この負荷で表面が割れやすくなります。ひび割れから雨水が侵入すると内部の鉄筋が錆び、さらに劣化が進む恐れがあります。

2-2. シーリング材が硬化して剥がれやすくなる理由

大規模修繕　コーキング劣化　雨漏れ対策

シーリング材は気温が低くなると柔軟性を失い硬化します。冬は特にその影響が顕著になり、外壁の目地が割れたり隙間が生まれたりします。マンションやアパートの外壁では、目地の劣化が雨漏りの原因になるケースも多いです。工場や倉庫の大きな目地でも同様のリスクがあります。シーリング材の硬化は冬の典型的な劣化症状です。

3. 冬に増える屋根と防水の不具合

屋根材や屋上防水は冬の寒さに弱い部分です。特に屋根材の収縮、金属屋根の結露、屋上防水の硬化などが冬に進行します。マンションや工場の屋上防水が劣化すると雨漏りのリスクが大きくなるため、冬の点検が重要です。

3-1. 屋根材の収縮による浮き・ズレ

スレート屋根や金属屋根は寒さで収縮しやすく、固定金具に負荷がかかります。冬に強風が重なると屋根材が浮いたりズレたりするトラブルが増えます。マンションやアパートの屋根は面積が大きいため、浮きが広範囲に及ぶこともあります。工場や倉庫の折板屋根でも同じ症状が起きやすいです。

3-2. 防水層の硬化により雨漏りが発生しやすくなる理由

屋上防水

屋上防水は寒さで硬くなり、柔軟性を失います。硬化した防水層はひび割れやすく、わずかな衝撃でも亀裂が入ります。マンションや工場の屋上で冬に雨漏りが増えるのは、防水層の硬化が主な原因です。特に10年以上防水工事をしていない建物では、冬の雨漏りリスクが大幅に上昇します。

4. まとめ

◆ 冬に増える建物のトラブルと修繕のポイント

―マンション・アパート・工場・倉庫の管理者が知っておきたいQ＆A―

岡山でマンションやアパート、工場や倉庫などを管理している方から、冬に入ると「外壁のひびが増えた」「雨漏りが急に起きた」「シーリングが裂けている」といった相談が増えてきます。
実際、冬は建物への負荷が大きく、外壁や屋根、防水の劣化症状が表れやすい季節です。

ここでは、冬に起きやすい建物トラブルと、その背景・対策を Q＆A形式 でわかりやすくまとめました。
修繕計画を立てるうえで役立つ情報ばかりなので、ぜひ参考にしてください。

【Q1】なぜ冬になると建物の修繕相談が増えるのですか？

冬は気温差が大きくなるため、建物の素材が「膨張⇔収縮」を繰り返します。
岡山でも朝晩は0℃前後まで下がり、日中との温度差が10℃以上になることも珍しくありません。

この温度差が建物の外壁・屋根・防水に負荷を与え、次のような症状を引き起こします。

モルタル外壁のひび割れ
サイディングの反り・浮き
屋根材のズレ
防水層の硬化
シーリング材の割れ

特にマンションやアパートのように面積の広い建物、また工場や倉庫などの大規模な屋根・外壁は温度変化の影響を受けやすく、冬に不具合が表れやすくなります。

【Q2】外壁のひび割れは冬に増えるって本当ですか？

はい、本当です。
外壁のひび割れは冬に特に増えます。

外壁の素材（モルタル・サイディング・ALCなど）は温度によって伸び縮みしますが、冬は急激に縮むため表面に負荷がかかり、細かいひびが発生しやすくなります。

また、古いマンションやアパートでは外壁の弾力が失われているため、ちょっとした温度差でもひびが入りやすい傾向があります。

さらに、冬は光の当たり方や乾燥によって、ひびが白く浮き上がって見えやすくなるため、

「なんだか急にひびが増えた気がする…」

と感じるオーナー様も多いです。

【Q3】シーリング材が冬に硬くなるのはなぜ？

シーリング材（コーキング）は本来ゴムのように伸び縮みする素材ですが、気温が低いと硬くなり柔軟性が低下します。冬場は特にその影響が強く出ます。

硬化したシーリング材は次のような状態になりやすくなります。

割れやすい
壁の動きに追従できない
目地に隙間が生まれる
剥離（はがれ）が起きる

この隙間から雨が入り、内部の木材が腐食したり鉄筋が錆びたりすることもあるため、マンション・アパートの雨漏り原因として非常に多い症状です。

工場や倉庫のように壁面が広い建物では、目地が数百メートルに及ぶこともあり、冬場にシーリング劣化が一気に進むケースがあります。

【Q4】冬に屋根のトラブルが増えるのはどうして？

冬は屋根材が収縮するため、固定ビスに負荷がかかり、次のような問題が起きやすくなります。

スレート屋根の割れ
金属屋根の浮き
瓦のズレ
屋根材の反り

特に金属屋根（ガルバリウム鋼板・折板屋根など）は冷えると大きく縮む性質があるため、冬の点検がとても重要です。

さらに、工場や倉庫の大きな屋根では結露が発生しやすく、その水分によって錆が進行するケースも多いです。

マンションの場合は屋根面が広く、わずかな浮きでも強風で一気に拡大する危険があり、冬は屋根のトラブルが顕著に表れます。

【Q5】冬に雨漏りが増えるのはなぜ？

冬の雨漏りは主に 屋上防水の硬化 によって起こります。

防水材は気温が下がると硬くなり、少しの動きでひび割れが発生します。
その結果、次のような症状が起きやすくなります。

防水層がひび割れる
端部の立ち上がりがめくれる
排水口まわりの防水が破れる

マンションやアパートで冬に雨漏りが増えるのは、
「防水層の硬化 → ひび割れ → 雨の侵入」
という自然な流れによるものです。

工場や倉庫などの広い屋上では特に影響が大きく、部分的な劣化でも雨漏りが建物内部まで達するケースが多いです。

【Q6】冬の外壁や屋根の劣化を放置するとどうなりますか？

放置すると次のような深刻なトラブルにつながります。

◆ 外壁

ひび割れが拡大し、雨水が吸い込む
内部の鉄筋が錆び、躯体の耐久性が低下
塗膜が剥がれ、劣化スピードが加速

◆ シーリング

完全に割れて雨漏りの原因に
サイディングが反り、張り替えが必要になることも

◆ 屋根

浮きが広がり、台風で飛ばされる危険
下地が腐り、葺き替えが必要に
雨漏りで天井材が落下するリスク

◆ 屋上防水

ひび割れが増えて雨漏りが悪化
防水層が剥離し、大規模な修繕が必要に

特にマンションや工場などの大規模物件の場合、劣化が広範囲に及ぶため、早期に修繕しないと費用が数倍になることもあります。

【Q7】冬に建物の点検を行うメリットはありますか？

冬の点検には次のようなメリットがあります。

劣化が「見えやすい」
シーリングの硬化で隙間が判断しやすい
屋根材の浮きが確認しやすい
外壁のひびがくっきり目立つ
防水層の亀裂が分かりやすい

つまり、冬は不具合を発見しやすい季節なのです。

マンションやアパートの管理会社が冬に定期点検を行うのも、不具合が一番見つかる時期だからです。

【Q8】マンションやアパートの管理者が冬に行うべき対策は？

次の 3 つが特に重要です。

① 外壁・屋根・屋上の簡易チェック

外壁に新しいひびがないか
シーリングが割れていないか
屋根材が浮いていないか
屋上防水に亀裂がないか

② 専門業者による無料点検を依頼

高所や屋上は危険が多いため、プロの点検が安全です。
岡山の気候に詳しい施工会社であれば、地域特有の劣化ポイントも把握しています。

③ 修繕計画を見直す

冬に劣化が見つかった場合、春～初夏にかけて工事を行うのが最も適したタイミングです。
工場・倉庫など大規模建物の場合、繁忙期を避けて計画すると業務への影響が少なくなります。

【Q9】冬の修繕は可能ですか？工事は避けるべき？

「冬は外壁塗装ができないのでは？」
という質問をよくいただきますが、実際には気温や湿度の条件を満たせば問題なく施工できます。

ただし、冬に工事が難しいケースもあります。

気温が5℃を下回る
雨・雪で湿度が高い
結露が発生して塗料が乾きにくい

これらに該当しない限り冬の工事は可能ですが、慎重な判断が必要なため、信頼できる業者に相談することが大切です。

【Q10】結論：冬は「劣化が出やすい＝対策しやすい」季節です

冬は建物の不具合が目に見えて表れやすい時期です。
マンション、アパート、工場、倉庫など建物の種類を問わず、以下の症状が出やすくなります。

外壁のひび割れ
シーリングの割れ
屋根材の浮き・ズレ
防水層の硬化
雨漏り

これらはすべて 気温差による負荷 が原因です。

冬に劣化を発見することで、
「春以降の適切な修繕工事につなげられる」という大きなメリットがあります。

建物の寿命を延ばし、余計な修繕費をかけないためにも、冬のチェックはとても重要です。

冬は岡山の建物で劣化が進行しやすい季節です。マンションやアパート、工場や倉庫などの大規模建物は、温度差による外壁のひび割れ、シーリングの硬化、屋根材の収縮、屋上防水の劣化が同時に起こりやすくなります。冬に症状が見えることで、修繕の必要性が明確になり、早期対応が建物の寿命を大きく延ばすポイントになります。

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